プラスチック製造業の市場環境
(3)生産の日本回帰の流れ

 我が国製造業全般においてこの動きは顕著で、2017年版ものづくり白書にも書かれているように、海外拠点への生産移管は中国からASEANへ、また日本から中国へは減少し、逆に中国から日本への国内回帰の動きが増えているようです。
2017年版ものづくり白書には、「最適地生産の中で見られた国内回帰の動き」として
我が国製造業は、海外展開を進める中で、現地での生産を拡大した結果として、第一次所得収支の黒字が経常収支の中で稼ぎ頭になっている。 しかし、その動きに変化も見られるようになっている。日本、中国、ASEANの3カ国・地域間の海外拠点の移管パターンに関して、日本から中国への移管が減少している一方で、中国から日本への移管、すなわち国内回帰が増加している。
 特に、2016年度には、日本から中国への進出と、中国からの日本への国内回帰が逆転するなど、 企業の国内外の事業展開に変化が見られる。さらには、中国からASEANへの拠点移転が進む一方で、ASEANから中国への移転は低水準となっている。
 また、経済産業省が2016年に行ったアンケート調査においても、海外生産を行っている製造業の企業のうち、11.8% が過去1年間で国内生産に戻している。この数値は、過去2年の調査とほぼ同じであり、国内回帰の動きが一定程度継続して見られる。移管元は中国・香港からの割合が高くなっている。と書かれています。
 出典:2017年版ものづくり白書「中国・ASEANと日本の生産移管の推移」

 このような国内回帰が一定程度継続する背景には、「為替レート」に加えて、「人件費」の上昇、その他には、「品質管理上の問題」や「リードタイムの短縮」なども挙げられます。また自動化技術の高度化により国内生産でもコスト競争力を維持できることから国内に生産拠点を戻す事例が増えています。